粕本集呆の馬事放言

「粕本集呆の辛口一献」に替わるカスPこと粕本集呆の新ブログ。主に競馬関連中心ですが、ニコマス活動再開も企図しております。

名門牧場の悲し過ぎる最期

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 日曜日の競馬の結果

中央函館「函館記念」…モリアテ教授ハズレ/カスPハズレ

1着 6番マイネルミラノ(3番人気)カス▲

2着 8番ケイティープライド(13番人気)

3着 10番ツクマアズマオー(9番人気)

 

モリアテ教授、カスPともに本命の13着マテンロウボス鞍上・四位の言い訳もといコメント。

「もともとゲートに不安があり、器用なタイプでもないので、リズムを重視して後ろから。前がつぶれる展開になればと思っていたが、思ったより伸びなかった。現状では、いろいろな部分がかみ合わないと(重賞で)上位争いは厳しいのかな」

(スポーツ報知より)

………一番かみ合っていなかったのはヤネだよ。あたしゃ一瞬、「もしかして鞍上を横山典弘と間違えてしまったのか!?」と新聞の馬柱に目を遣ってしまいましたぜ。リズムを重視するにも、前崩れを期待するにも、あの位置はないだろう、と。直線であそこからじゃ、伸びたところでせいぜい掲示板。2着3着ともに買っていない馬だったのでどう転んでも的中には程遠く、苦笑で済んだけれど、誰もがいつまでも武豊のように名手でいられるわけではない。引き際は当人が決めることですが、馬券を買う側としては、信頼度は昔のままというわけにはいかないのです。

大井の的場御大―今日の盛岡「マーキュリーカップ」ではやらかしてくれたようですが―を見ればわかるように、年齢による体力の衰えは幾らかあっても、落馬等による怪我の影響さえなければ、技術の衰えは余りない。むしろ蓄積された経験がそれを補って余りある強力な武器になる。アンカツ藤田伸二がそうだったのですが、モチベーションが大きいと思います。岡部幸雄のように自分が納得いく騎乗ができないと認めたとき、あっさり辞める人もいれば、金沢の山中利夫のように、もうやりきったと納得して鞭を置く人もいる。調教師という第2の道を目指す人もいる。しかしそのいずれでもなければ、惰性でだらだら続けてしまう。

四位は顔写真すら見たくない時もあれば、その顔写真を神棚に飾って拝みたい時もあった、私の中では愛憎複雑に入り混じった騎手です。しかしあの四位の騎乗は、失敗したにせよ前崩れに賭けて後方でじっと息を潜めた、イチかバチかの勝負騎乗には到底見えなかった。へぐるという段階にも及ばない騎乗でした。

 

函館記念、買おうかどうか最後まで迷った馬がいました。マイネルフロスト。結果は12着でしたが、この馬の生まれ故郷で、残念なことがありました。一般紙でも報道されていることですが、生産牧場・競優牧場の元経営者(牧場は4月に負債総額3億円で破産、現在の肩書は無職)が、2月に起こった1歳の競走馬2頭の射殺事件の容疑者として銃刀法違反並びに動物愛護法違反容疑で逮捕、当人も罪を自白しました。事件は2月、競優牧場の破産は4月であることから、保険金目当ての犯行である線が強い。

競優牧場は1932年に開業、1968年にタケシバオーでダービー制覇。同馬はダービー馬に留まらず、2度もアメリカに遠征するという、当時としてはかなり果敢な挑戦に踏み切ったりしました(結果同馬の競走生活を縮めることにもなったが)。また初の獲得賞金1億円ホースとしても知られています。

昨今メジロ牧場トウショウ牧場とかつての名門牧場が次々と幕を降ろしていますが、メジロ、トウショウともにまだ他に迷惑をかけずに済む段階で勇退を決意した。メジロ牧場に至っては、メジロ牧場閉場時の専務が施設と繋養馬を引き継ぎ、社台の力も借りてレイクヴィラファームとして生まれ変わりました。しかし、タイミングを逸し、そのまま底なし沼に沈んでいく牧場もあった。小さな牧場ならその気になればいつでも畳めますが、規模が大きいとそうはいかない。かつての早田牧場(1917~2002)もそうでした。そして、経営者が最後道を踏み外したのも同じ。今回の事件、自身が育てた競走馬を猟銃で射殺するという行為のひどさもさることながら、杜撰さも目につく。容疑者が猟銃を所有していると判明した時点で警察は彼を疑うし、猟銃の所有は登録があるので絶対に隠せない。3億円の負債を抱え、父祖代々築き上げたものを自らの失敗ですべて失うに至り、精神的に追い詰められてまともな判断能力を失ったのでしょう。「弁解することはない」という容疑者の供述からも、行為の愚かさに対する自覚が窺えますが、どうしようもなかったという開き直りにも聞こえなくはないのです。

晩年の荒尾競馬に、サチノスイーティーという中央重賞勝ちの牝馬が転入してきて、荒尾競馬ファンの間で話題になりました。初戦こそ人気に応えたものの、4戦1勝、脚の不安もあり、晩年の荒尾競馬を盛り上げるには至らなかった。引退後、競優牧場に繁殖牝馬として引き取られたのですが、2年前、「競走馬のふるさと案内所」というサイトで同牧場でのサチノスイーティーの様子が採りあげられました。

 

サチノスイーティーを訪ねて~競優牧場 | 馬産地コラム | 競走馬のふるさと案内所

 

サチノスイーティー繁殖牝馬としての期待を語っているのが、逮捕された経営者。このリンク先も近々削除されるかもしれません。

また現在もブレスジャーニー(美浦・本間厩舎。島川隆哉氏所有)という期待の2歳馬がいて、8月の新潟2歳Sを控えている。当然サチノスイーティーにもブレスジャーニーにも何の罪もない。前者には新天地で強い仔を産んでもらいたいものだし、後者は新潟2歳Sで結果を出して欲しい。