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粕本集呆の馬事放言

「粕本集呆の辛口一献」に替わるカスPこと粕本集呆の新ブログ。主に競馬関連中心ですが、ニコマス活動再開も企図しております。

笠松競馬は「奨励賞」が相応しい?

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昨日触れた「Gallop」なのですが、何故数年ぶりにこの競馬雑誌を買ったかといえば…

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「がんばれ!菜七子なでしこ」ではありません。その下。「セレクションセール2016詳報」でもありません。更にその下です。

笠松競馬場の場立ち予想屋「大黒社」のワン・ヒル師匠(と私は勝手に名付けている)こと一岡浩司氏のエッセーが、第12回「Gallopエッセー大賞」の編集部奨励賞を受賞したのです。

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拝読したのですが、まず

ワシ、お馬で人生ローリングストーン

的な書き出しで読者のシンパシーを一気に掴み寄せる。最初3行で読むのをやめる人はまずいない。

詳細な内容はお約束通り「Gallop」買って読んでください、なわけですが、全国の競馬場で唯一の女性場立ちだった「なでしこ」についても触れられています。エッセーで記されているように、笠松競馬が誇張なくして崖っぷちだった頃現れた彼女は、一般紙(確か中日新聞だったと思う)でも採りあげられ、私はそこで師匠である一岡氏のコメントも読んだ記憶がある。彼女の予想は幾度か買ったことがあり、予想スタンスが私と近かったことは印象に強く残っています。「こんなの誰だって考えるよ」という予想ではなく、ひとつ捻っている。その「捻り」が失敗し、素直に大勢に従っていればという結果ばかりだったのですが、外れることが多いというのは一岡氏もエッセーで認めているし、私は予想が当たるハズれるよりも、自分の予想と同じか、違うとしたらどう違うかを楽しむタイプ。

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左からふたつ目が「なでしこ」のブース跡。

ただ、どちらかといえばおとなしい女性で、ダミ声張り上げて目立ってなんぼという商売には不向きだったかもしれません(あと個人的には、場所が良くなかったと思う)。3年ほどで引退したのは、仕方ない理由があるのですが、メディアが採りあげたのも最初のうちだけ。それを一岡氏は、せめてたまごっちに例えればいいものを、

エリマキトカゲやウーパールーパー

って、一部の世代だけ直撃なたとえは何ですか?アラフォー以下は何のことだかさっぱりわかりません。

それはともかく、一岡氏が述べる自らの境遇は、悲壮といえば悲壮なのかもしれないけれど、切羽詰まったものがあるようなないような。でもそれって、笠松競馬そのものなのです。一岡氏の文章に漂う空気が、笠松競馬場に漂う空気なのです。それがいいのか悪いのかわからない。時には私も文句言ったり、声を荒げて怒ったこともあるけれど、だったら空気入れ替えますか?と訊かれたら、いやそれは結構と断るでしょう。選考に際し、文章力が厳しくマイナス評価され、それで「奨励賞」になったそうですが、洗練された文章で笠松競馬場を綴られたところで、笠松競馬ファンは読んでも違和感しか感じないでしょう。それは笠松競馬場ではない。一岡氏の文は、笠松競馬場の現状を詳述しているわけではありませんが、これを読めば、ああこれが笠松競馬場なんだと読む人は感じ取ってくれるはず。しっかりしているわけじゃないけれど、決していい加減なわけでもない。さすがにエリマキトカゲやウーパールーパーは出てこないけれど、たまごっちくらいなら出てくる―しかもパッチものだったりする。井崎脩五郎氏が絶賛したのは、多分こういった文章が等身大の笠松競馬を語るに相応しいとわかっていたからでしょうし、従って笠松競馬場は「大賞」を獲る競馬場ではない。「奨励賞」でいい…と納得するのは果たしてどうかと思わないでもないのですが、「大賞」を獲る笠松競馬場なんて想像できないし、「大賞」を獲れる競馬場だったら、私は今のように応援してはいないでしょう。

 

明日の開催を最後に引退する騎手がふたり。花本正三と湯前良人。ともに調教師試験に合格し、今後花本調教師、湯前調教師となる。

花本は最初から笠松に所属していたわけではなく、デビューは益田。2007年、時期的に目迫大輔とトレードのような形で(そう見えるだけで実際競馬界にトレード制度はない)高知から笠松に移籍。目迫は若手ながら笠松でなかなか乗り鞍に恵まれず、騎乗機会を求め高知へ。新天地では重賞制覇もあり、飛躍するかと期待したのですが、落馬による怪我も響き、花本よりも18歳若いながらも、一足先に調教師に転身。この前高知に藤田菜七子が来たときに、自厩舎の馬を騎乗させていた。関係者曰く、嫁さん(森井美香元騎手)がしっかりしているから厩舎も大丈夫だろう、と。話を花本に戻せば、2200勝を挙げたベテランも、晩年は年齢的なものもあり、所属する伊藤強一厩舎のセカンドドライバーに甘んじているような状況で、重賞で目立つ馬に乗る機会はあまりなかった。同厩舎所属ではないものの主戦扱いだった岡部誠は韓国に行って帰って来ず、尾島徹は調教師に転身。目の上の瘤(?)が消えたはずなのですが、かつては笠松のコルレオーネ・ファミリー的存在だった伊藤強一厩舎にも翳りが見えはじめていた。

 

湯前はデビューから長年後藤保厩舎の騎手でしたが、同厩舎には東川公則という腕の立つ騎手が所属していて、彼もどうしてもセカンドドライバー扱いだった。晩年は後藤保厩舎から水野厩舎に移籍。後藤保師生前のことだったので、筋金入りの東海公営ファンだった当時の私の上司が、その移籍がよっぽど気になったようで、湯前に一体何があったのか私に訊いてきましたが、その辺りの事情は私にもわからない。ただ、今にしてみれば、もしかしたら調教師転身を見据え、水野厩舎の方が環境に適していると考えたのかもしれません。中央でも調教師試験を本格的に目指すにあたり、騎手や調教助手が所属厩舎を替えるということがあります。とはいえ息子の後藤正義師が独立、こちらが躍進するのと引き換えに、父の厩舎はかつてほど忙しくなくなってきたとは思うのですが。師弟で何かあったのかもしれないし、カスの勘繰りというやつで、別段何もなかったかもしれない。山下雅之のデビュー、後藤保厩舎への所属もありましたが、師匠の方針もあり、山下はあまり同厩舎に依存しなかったので、乗り鞍の影響とかは移籍理由としては弱いかな、と。

 

両騎手のラストランですが、湯前は第10R「ベゴニア賞」。騎乗馬は所属厩舎のケージーアケボノ。近走不振なのですが、三連単ではじめて笠松万馬券をもたらしてくれたのがこの馬。福山競馬所属の頃から知っていたということもあり、何とも悩ましい。

花本はメインのラストレース「盛夏特別」でウォースピリッツに騎乗。こちらも近走は振るいませんが、今回レースの格が落ちている。とはいえ決してしょぼいメンツではなく、取捨選択が難しいところ。

 

予想はその「盛夏特別」を。A-2の特別戦で1600メートル。第12R。16:45発走。

実力上位とそうでない馬がはっきり分かれた分断型レースが予想されるのですが、どの馬がハナでレースを引っ張るのかがわからない。逃げてなんぼという馬がいないだけに、有力馬のいずれかが「だったら俺が」と前に出て、そのまま押し切ってしまう可能性もあるけれど、複数の騎手が同じことを考えて、先行争いが長引けばちょっともつれるかもしれません。

 

本命ベルベットメドウ。ここ3戦上向きで中間の動きも良かった。このレースに限らず、夏の暑さを気にしている陣営が多い中、夏は牝馬ということで、メンバー中紅一点のこの馬を本命に。ただ、同じA-2といっても今回は相手が骨っぽく、試金石みたいなところもある。そういった点で実績馬ビービーガザリアスと迷ったのですが、夏は実績馬相手でも勢いで押し切れるところもあるし、今度出るゲーム「テイルズ オブ ベルセリア」のヒロインの名前がベルベットだったな、という競馬とは何の関係もない理由もあってこちらを選択。池田という騎手は固め勝ちの傾向があり、私が現地に行くと確変モードに入っていることが多い。ただし、その「台」に私が座っているわけではないので、その恩恵にあずかったことはないのですが。

 

対抗にビービーガザリアス。園田「六甲盃」や「オグリキャップ記念」で2着連対する等、実績は抜きん出ている(ただし、当時は名古屋・角田厩舎所属で、現在は笹野厩舎所属)。最近は出脚の良し悪しがそのまま成績に直結してしまっているようなところがあるのすが、今回のメンバーなら7頭立てだし番手は取れる。季節柄上積みはどうかと思いますが、中間の動きから、良い意味で平行線。出来落ちはないと思います。サウスヴィグラス産駒の常識からはちょっと外れた馬で、1600メートルは問題なく、むしろもっと長くていいくらい。

 

単穴ジャックポット。正直ここまで使ってきたレースがレースなので、ベルベットメドウに0.1秒差2着だった2走前が実力だと思えなくもない。サマーカップは殿負けでしたが、勝ち馬と2.6秒差だったことを思えば悲観するほどでもないのでは?とはいえ殿負け。ドベ。重賞とはいえ括目するほど強力なメンバーが揃っていたわけでもないし、今回も少頭数とはいえ上位拮抗型。前走の大敗をどう捉えるかでしょう。

 

最後に花本正三ラストランのウォースピリッツ。この馬もジャックポット同様これまで厳しいレースに使われ続け、ここなら…と思えなくもない。後ろからの競馬が続きますがこのメンバー、この頭数ならそこそこの位置は取れるはず。問題は花本ラストランということで単勝人気はするでしょうが、他の三連複や三連単にまで影響するかどうか?

 

◎2番 ベルベットメドウ(池田)

〇6番 ビービーガザリアス(藤原幹)

▲7番 ジャックポット(東川)

△1番 ウォースピリッツ(花本)

 

買い目は三連単2、6→2、6→1、7で4点。

それから6→7→1、2で2点。馬単2←→7で計8点。