粕本集呆の馬事放言

「粕本集呆の辛口一献」に替わるカスPこと粕本集呆の新ブログ。主に競馬関連中心ですが、ニコマス活動再開も企図しております。

往年のPC名作ゲーム「ラストハルマゲドン」を語る・前編

今回前編・後編と2回に分けて紹介するゲームは「ラストハルマゲドン」。
1988年にパソコンで発表された作品で、当時のPC各機種、次いでPCエンジンファミコンにも移植された名作RPG。「ブレイングレイ」というソフトハウス—当時はパソコンのゲームメーカーをそう称していた—によるリリース。企画・シナリオは飯島健男(現:飯島多紀哉)。音楽の大半を、後に「超兄貴」や「筋属バット1号」で大ヒットした葉山宏治が担当。

私がプレイしたのはPC8801版でしたが、ニコニコ動画FM-TOWNS版のゲーム動画を出してくれている方がおられるので、そちらを参考に。このboko2氏の動画は実に上手く編集されていて、FM-TOWNS版(X68000PCエンジン)はPC8801版(PC9801、MSX2等)とイベントのグラフィックが幾分異なっていることもあって新鮮で、一気に最初から最後まで見てしまいました。シリーズ各動画の終わりに用語や登場キャラクター等、「ラストハルマゲドン」の世界をしっかり紹介、解説してくれているのも嬉しい。
ただ、FM-TOWNS版は声優による音声が入っている代わりに、ゲームの売り物のひとつである音楽も大幅に変更、削減されてしまっているようです。でもテキストを目で追うだけよりも音声がある方が話を理解しやすい。この動画を見て、過去のプレイで消化不良だったのが「ああ、そういうことだったのか」と腑に落ちたところもあります。

 

 

ストーリーは……いきなり人類は滅亡しています。
その昔、「猿の惑星」という大ヒットした映画がありまして。宇宙飛行士が、猿が支配する惑星に迷い込んだ。いきなりラストのネタバレをしてしまうと、そこは核戦争により変わり果てた地球だったのですが、人間が家畜やミュータント化しつつもとりあえずは生き残っていた。でも、このゲームではひとりも生き残っておりません。死に絶えました。
遠い昔、人類との戦いに敗れ、魔界へと追いやられた魔族たちは、人類の滅亡によって自分達が晴れて地上の支配者になれると勇躍するも、チリウス星系とやらからやってきたエイリアンたちが上陸、ここは自分達が征服したと一方的に宣言します。
勿論魔族がそれを許すはずはなく、地球の新たな支配者の座を巡り、魔族VSエイリアンの全面戦争へ。しかしその前に地上がどうなっているか把握するために、12の種族から各1名、代表を選出し、調査に出すことに。この12体の魔物が数奇な運命を辿る物語です。人類は何故、どのようにして滅びたか?エイリアンたちは一体何者か?、そして魔物たち自身が何者であるか……?

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それまではRPGといえば、人間が主人公で魔物が敵というのが定番だったのですが、魔物が主人公であるという点、そして人間滅亡後、侵略してきたエイリアンと地球の支配権をかけて戦うという奇抜な舞台設定が、エログロの風潮漂う世紀末のパソコンゲーマーたちの目を惹きました。
こう記すと、どこかキワモノじみたゲームで、奇抜なのは設定だけで中身スカスカだろうというのがよくある話ですが、このゲームはそうではなかった。でなければ、後にPCエンジンファミコンに移植はされなかったでしょう。

ゲームはフィールドは「ドラゴンクエスト」のようなタイプで建物内部は3D(PCエンジン版は建物内もフィールドと同じ)。昼、夜、「サルバンの破砕日」と呼ばれる月に一度来る通常より長い日と、時間帯ごとに魔物を割り振ります(ただ、夜やサルバンの破砕日しか活動できない魔物もいる)。歩いているとモンスターならぬエイリアンと遭遇するのは「ドラゴンクエスト」や「ウィザードリィ」と同じ。

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魔物たちにもそれぞれ特徴があり、空が飛べる者、アイテムを作れる者、火や水の攻撃に強い、弱い等様々です。また知性が高い魔物は人間が遺した記録を読むことができ、好奇心が強い魔物でなければ見つけられないアイテムもある。

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戦闘については、集団攻撃ができる魔法や特殊攻撃を会得するとだいぶ楽になります。レベルもポンポン上がっていき、物語後半は戦闘で苦労させられた記憶はありません。ただ、「ウィザードリィ」のように戦闘に勝利すると全員に経験値が公平に分配されるわけではなく、エイリアンを直接倒した者のみが経験値を得られますから、集団攻撃ができる魔物とそうでない魔物でレベルに差がついてしまうこともある。
後半はあまり戦闘に苦労しないということは、作業っぽくなってしまうのですが、それでも敵のエイリアン(人類が残した戦闘ロボット等も含む)の種類は150で、ドラクエのような色違いや装備違いはありません。boko2氏の動画シリーズの途中で第1部、2部に分けてエイリアンの紹介がありますが、デザインのセンスが凄いというか何というか……。
ちなみにPCエンジン版やファミコン版はコンシューマーゲームらしく中ボスやラスボスが存在します(下の画像がPCエンジン版)。 

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魔物も一定レベルになると姿形を変え、更に他の魔物の細胞と融合することによって、進化することができます。「真・女神転生」シリーズの悪魔合体のようなもの。最近PSVITAで「デジモンストーリー・サイバースルゥース」というゲームをプレイしたのですが、デジモンが進化していく過程が実に面白い。そのときの能力によって進化に選択肢が出てくるのですが、「女神転生」の悪魔合体が、あらかじめ合体後の悪魔を見せられて、これでいいか最終確認できるのと違って、蓋を開けてみないと何になるかわからない。いざ進化させてみると「何だこいつカッコ悪いぞ」なんて苦笑してしまうのですが、この面白さは以前どこかで経験したことがあるような…と記憶を遡れば、この「ラストハルマゲドン」の進化だった。これも容姿に当たりハズレがあって、特にスライムの細胞を取り込むと大概グロい化け物になっちゃいます、ていうか後半は魔物というよりエイリアンと大差なくなっていくような……。

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話をストーリーに戻せば、エイリアンと戦っていくうちに、エイリアンの司令官に誘われるように、人類滅亡の謎を解き明かす「戻らずの塔」なる、バベルの塔のような高層建築物へとたどり着きます。そこの各階で魔物たちは人類は如何にして滅亡への道筋を辿っていったのかという歴史映像を見させられます。思いっきりひん曲がった「映像の世紀」といったところか。些細なことかもしれませんが、ナポレオンの場面では、語り手がPC8801版はジョセフィーヌ(ナポレオンの妻)であるのに対し、FM-TOWNS版はマリー・アントワネットヒトラーの場面では、FM-TOWNS版は語り手が明かされていませんが、PC-8801版はヒムラー(ヒトラーの腹心でホロコーストを直接指揮)と記されています。

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そして、最後に人類を滅亡に追いやった直接の原因がついに明らかになり……それがboko2氏の動画でいえばパート7まで。

(「粕本集呆の辛口一献」2011年7月30日のエントリーを一部加筆、修正して移植しました)