粕本集呆の馬事放言

「粕本集呆の辛口一献」に替わるカスPこと粕本集呆の新ブログ。主に競馬関連中心ですが、ニコマス活動再開も企図しております。

往年のPC名作ゲーム「ラストハルマゲドン」を語る・後編


(PC88)ラストハルマゲドン/Last Armageddon-Soundtrack

音楽については、PC8801版のサントラCDを持っているのですが、FM-TOWNSPCエンジン版は曲中「ヘイ!」と掛け声が入っていたり、鞭がピシッと飛ぶようなSEがあったり、PC88、98版より葉山宏治色が強く出ています。このFM-TOWNS版エンジン版の「Ⅰ部」の戦闘シーンのBGMは神曲と謳われていますが、「Ⅱ部」の戦闘シーン(下の動画の16:58辺りから)のBGMはPC98、88版の「Ⅰ部」の戦闘シーンBGMの別アレンジバージョン。個人的にはオリジナルの方が格好いい。前編で触れましたが、PC98、88版は音声がない分、イベントのために用意された曲数が多く、これはこれで捨てがたい。ちなみに葉山宏治とともに、猪瀬勝幸という人が音楽を担当したのですが、猪瀬氏については、他に携わった作品が見当たらない。個人的憶測ですが、後発のFM-TOWNSPCエンジン版は猪瀬氏が外れ、それによってより葉山色が強くなったのでは?

 

魔物たちは、自分たちが最初「地上」だと思い込んでいた世界が実は地下であり、「戻らずの塔」を通じて本当の「地上」が存在することを知らされます。確かに本当の「地上」の方がビルの残骸等があり、「人類は核の炎に包まれた」後の「YOUはショック」な世紀末的雰囲気がある(動画Part7を視聴した方はおわかりのように、この物語では、人類の滅亡は核戦争が原因ではなかったのですが)。しかしそこに待ち受けているのは「ヒャッハー」なモヒカン軍団ではなく、形容し難い容姿に更に磨きがかかっているエイリアン軍団。

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魔物たちは本当の「地上」を彷徨う中で、自分たちがエイリアンよりもむしろ滅亡した人類の仕掛けに誘われる形で先に進んでいることに気付きはじめます。そして、人類が遺した様々なものを発見することによって、今まで持っていなかった新しい感情を芽生えさせていくのです。

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12体の魔物すべてに新しい感情が芽生えたとき、それまで頑なに魔物たちを拒んでいた「ファンタジーランド」という謎の一帯の門が開かれます。中に入ると一転、そこは名前通り、まるでファンタジーRPGの世界。

そして絶滅したはずの人間たちと遭遇!?ただ、見てわかるようにどうも様子が違う。本来ならここで魔物たちが容赦なく人間たちに襲いかかるのが筋なれど、逆に話をしようとする魔物たちに、人間たちが問答無用で襲いかかってくる。

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この辺りになると、魔物たちはエイリアンを駆逐して地上を支配することより、自分たちが何者であるか確かめることの方に目的を置いている。そして最後の舞台「司令塔」へ。

PCエンジン版では、あのチリウス星系の司令官であるエイリアンと最後対決します。パソコン版では名前はないのですが、PCエンジン版ではあります。その名前の意味が、エンディングでわかります。
そしてラスト……魔物たち、エイリアンの正体。そして滅亡を悟った人類が、未来を託した壮大なプロジェクト。

 

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物語の所々に強引な展開や無理にこじつけようとしているところはありますが、全体的にはよく出来たストーリー。ヒトラーの場面等、今は問題ある表現を改変し、細かい部分を手直しすれば、30年近く経った今でも古臭さはまったく感じさせない。むしろ、発売当時よりも、差別や憎悪、エゴイズムが世界中に蔓延している現在の方がより相応しい。その点ファミコン版(上の写真。別のメーカーが制作し、ブレイングレイは直接には携わっていない)はさすがにファミコンのスペックではシステム的に移植には相当無理があり、ゲームとしての評価は低いのですが、低年齢のユーザー層にも配慮したのでしょうか、シナリオ的には一部手直しされていて、PC版では説明不足だったところを補完している面もある。決して改悪ではない。従ってファミコン版のシナリオを加味して練り直せば、今でも充分通用する作品に生まれ変わることも可能なのですが、実は現在リメイクは不可能に近い。

 

というのも制作、販売したブレイングレイは、その後、このゲームを企画し、シナリオを書いた飯島健男氏が共同経営者との路線の対立から決別、退社。それが理由か、「ラストハルマゲドン」の次に出すはずのRPG(正当路線っぽい作品)は制作中のゲーム画面すら世に出ることもなく頓挫。「ラストハルマゲドン2」という作品も企画としてあったようですが、これも名前だけで消滅。以降ブレイングレイは自然消滅してしまいます。デビュー作の「抜忍伝説」で話題となり(私はプレイしましたが、癖のあるゲームで評価はし難い)、2作目の「ラストハルマゲドン」が大ブレイクしましたが、これが最後の作品となってしまった。

「ラストハルマゲドン」の権利は飯島氏ではなくブレイングレイにあったため、同社消滅とともに権利が不明となっています。ちなみに飯島氏は「アフターハルマゲドン外伝」という、「ラストハルマゲドン」とは何ら繋がりのない、それこそ「猿の惑星」を彷彿とさせるような作品をPCエンジンで発表。「ラスト」ではなく「アフター」になっているのは先述した権利関係の問題から。
あと、「ラストハルマゲドン」ヒット後、実は魔物ではなく日本の妖怪を主人公にした外伝「妖怪変紀行」を、同社のファンクラブ会員限定でリリースする予定で、こちらはゲーム画面も発表されていました。こちらは魔物たちと違い、他の星へ脱出をはかるという設定で、本編よりコミカルな内容で出す予定だったのですが、これもまた世に出ることなく終わった。

飯島氏はその後、名を飯島多紀哉と改名、パンドラボックスという会社を立ち上げ、数多のゲーム開発に携わることになります。近年「四十八(仮)」というゲームが、ヘンな意味で有名になってしまいましたが、飯島氏はゲームの開発自体には携わっておらず、シナリオの方も削られる部分が多かったなど、不本意な面も少なからずあったようです。ただ、3DSPS3PSVitaと、ここ数年のコンシューマーゲーム機では目立った活動は見られません。アプリのゲームや執筆業等、活動の場を移しているのかもしれませんが、ブログは2015年9月を最後に更新がありません。

また、音楽の半分以上を手掛けた葉山宏治氏は後にアクションゲーム「超兄貴」で大ヒットし、ゲームミュージック界で不動の地位を確立します。

(「粕本集呆の辛口一献」2011年9月3日のエントリーを一部加筆、修正して移植しました)