粕本集呆の馬事放言

「粕本集呆の辛口一献」に替わるカスPこと粕本集呆の新ブログ。主に競馬関連中心ですが、ニコマス活動再開も企図しております。

藤田伸二地方競馬再デビュー志望の報に触れて。

俳優の渡瀬恒彦氏が死去。享年72歳。

兄の渡哲也は「西部警察」の大門といった「石原軍団」のワイルドなイメージがあったので、落ち着いた役柄の多い渡瀬氏の方が兄だと最初は思っていました。

渡瀬氏の役で印象的だったのが「おみやさん」の鳥居と「真田太平記」の真田信之

「おみやさん」は原作は石ノ森章太郎の漫画で、一話完結のミステリーもの。私はドラマを視てからだいぶ経った後、文庫版で原作を読んだのですが、原作の鳥居はむさくるしいオッサンで、渡瀬氏とは似ても似つかない。一方で櫻井淳子演じるパートナーの七尾洋子(ドラマでは途中からパートナーが交替している)は原作のキャラクターに近かった。原作は結構面白かったのですが、単行本は全4巻(文庫版は全3巻)と長くはない。最後は鳥居と、はじめは嫌々鳥居と組んでいた洋子が結ばれそうな雰囲気になったところで締められた。事件の背景に男女の愛欲のもつれが結構あったり、洋子がそこはかとなくエロチックだったりと、当時(連載は1981年10月~83年5月)の石ノ森の作風が反映されていたと思います。ドラマと原作はだいぶかけ離れた印象があり、石ノ森の作品の中ではとりわけ大ヒットした作品というわけでもないのですが、まさか原作者が世を去ってからも延々とドラマシリーズが続くとは。

渡瀬氏はハルウララの映画で宗石大調教師を演じていた。当時の馬主と高知競馬の醜い争いのあおりでハルウララブームは白けたものになってしまい、結果映画もあまり注目されることがなかったのが残念です。

 

火曜日の競馬の結果

高知競馬「黒船賞」…ハズレ

1着 12番ブラゾンドゥリス(2番人気)〇

2着 9番キングズガード(3番人気)△

3着 6番グレイスフルリープ(5番人気)△

勝ちタイム 1:28:2(重)/昨年の勝ちタイム 1:27:0(ダノンレジェンド・不良)

コースレコード 1:26:0

 

横山典弘は何であそこまでハナに固執したのか?それに尽きるレースでした。

確かに横山は絶妙なペースで逃げ切ることが多々ある。とはいえレースの主導権を握ってこそで、序盤からグレイスフルリープやブラゾンドゥリスも並びかけてくるようでは、ペースを操れる状況でない。逃げ馬ではないのだから控えればいいものを、ムキになったように引き離し、結局直線を待たずして単勝1.6倍の断トツ1番人気を無様な敗北へと追いやった。馬の調子(フェブラリーSから中2週で、同じローテのキングズガードより使い詰め気味だった)を加味しても、やはり大敗の主因は横山の騎乗でしょう。

最近思うのですが、横山典の騎乗にムラが目立ってきたような。以前より柔軟性に欠けてきたのです。ハマるときはハマる。弥生賞のマイスタイル2着は、明らかに横山の騎乗の賜物。一方で無気力騎乗と批判されても仕方ない騎乗も度々見受けられる。他人(他馬)が作った流れを上手く利用するとか、展開の変化に応じて臨機応変に立ち回るといったことができなくなっているのでは?と思うのです。「黒船賞」のニシケンモノノフの騎乗は、融通のきかない団塊世代の老人のような騎乗でした。50歳も近いですが武豊とは1歳違い。5番人気の馬で中山牝馬Sを制し、黒船賞で横山がコケた翌日、相手が緩かったとはいえ、同じ単勝1.6倍のクリソライトを「ダイオライト記念」で圧勝させた武豊。ここに来て決定的な差が生じている。

 

地方競馬の新規調教師、騎手の発表がありましたが、笠松は後藤正義師の弟・佑耶氏が調教師に合格。また渡邊竜也という新人騎手がデビュー。笹野厩舎所属になりますが、今度は上手に育てて欲しい。

一方で、藤田伸二地方競馬騎手として復帰を目論んでいるとか。地方の騎手が中央に移籍することはあっても、中央の騎手が地方に移籍することは、近年皆無でした。

当たり前ながら、メジャーからマイナーに自ら進んで活動の場を移す理由がない。中央で結果を出せず引退しても、多くの元騎手には調教助手という、安定した転身の道が用意されていますし、よほど現役にこだわらなければ、賞金の安い地方競馬に活動の場を移す必要はないわけです。それに格下に落ちぶれたと後ろ指さされたくないプライドもある。もうひとついうなら、中央で活躍できなかった騎手が地方でなら活躍できる保証はどこにもない。「メジャーからマイナー」と先述しましたが、それは規模や賞金額、競走馬の質の問題であり、携わる人の質ではない。

マスコミは藤田を囃しているような感じですが、移籍を希望されているホッカイドウ競馬はどう捉えているのか。ネームバリューはある元騎手なので、幾らか客寄せにはなるかもしれませんが、所属していた中央競馬を散々批判してきた、ある意味問題児。面倒な奴が来ると迷惑がるかもしれない。それに、元々藤田は岩田に限らず地方騎手を嫌う傾向があっただけに、仮に藤田が騎手試験に合格したとして、地元の騎手たちが手放しで歓迎できるかどうかという事情もあります。

何より移籍したところで、騎手として旬を過ぎた藤田に、復帰直後から有力馬の騎乗依頼がわんさか来ることは期待しづらい。当人がそれを我慢できるのか?

ただ、中央で騎乗機会に恵まれず、チャンスらしいチャンスも与えられないまま鞭を置いた若い騎手が、地方で場数を踏んで開花する可能性はあります。もしかしたら、地方競馬でいいから騎手として馬に乗り続けたいと思っても、プライドとか前例が乏しいことが邪魔をして実行できない元中央騎手がいるかもしれない。かつて浦和の内田利雄が前例がないにもかかわらず、あちこちの競馬場をアタックして、各地を期間限定騎乗で渡り歩いたことがきっかけで、地方騎手の他場での期間限定騎乗がごく普通のこととなりました。藤田の地方再デビューをきっかけに、何かが動くかもしれません。

ただ、内田利雄は諦めない強い気持ちと、どこの競馬場でも打ち解けられる明るく謙虚な人柄があったからこそ一定の成功をおさめた。藤田が試験に合格したとして、彼が成功できるかどうかは、「漢・藤田」と持ち上げられていた過去の栄光を捨てられるかどうかでしょう。もし藤田が成功できれば、一度は夢破れた中央の元騎手たちが後に続き、地方競馬を賑わすかもしれない。復帰叶った暁には、競馬界の「未来」もかかっていると胸に刻んでホッカイドウの馬に乗って欲しいものです。