粕本集呆の馬事放言

「粕本集呆の辛口一献」に替わるカスPこと粕本集呆の新ブログ。主に競馬関連中心ですが、ニコマス活動再開も企図しております。

今更「東海ダービー」回顧

ここ暫く更新が途絶えておりました。仕事が忙しく、度々寝落ちする―1時間くらい仮眠をとろうとアラームをかけ、リクライニングチェアを倒したら3時半頃に目を覚まし、このまま起きていたら寝るのは6、7時になって翌日の仕事に支障をきたすというわけで、結局そのままフラフラとベッドに移動する―こともあるのですが、文章を記すのが遅く、主観的にそれなりに見栄えする文章を書こうと思ったら一晩では足りない。本当は競馬予想も前日ではなく、もう一日前から下書きしておくべきですが、2日かけたところで的中率は変わらないでしょう。

というわけで今更「東海ダービー」について語るのですが…観てまず思ったことが

まずい…どうしよう。

「ぎふ清流カップ」の後、このブログで笠松と藤原幹生をボロカス酷評した手前、無敵と思われたサムライドライブを倒したときは正直蒼白になりました。私のブログを笠松の関係者が見ている可能性は低いですが、それでも個人的心情として、今後「どのツラ下げて」笠松競馬場に行けばいいんだ?というのがある。何もなかったかのようににこやかな顔して「笹野先生、ダービー制覇おめでとうございます」と言えるほど人間器用にできていないのです。オマケに実は「東海ダービー」、予想はしなかったのですがダメ元でビップレイジングとドリームスイーブルの単勝だけ応援馬券でちょっと買っていました。ビップレイジングは単勝1,700円。「ぎふ清流カップ」の負け分を返されてますます困惑。ちなみに私が馬券を買った午前11時頃は、ビップレイジングは単勝万馬券でしたw。

まず、サムライドライブについては「梅桜賞」や「駿蹄賞」での、丸野の強引にでもハナを主張する騎乗を見て、この馬、もしかしてハナで他馬を引っ張る形でないと自分のレースができないのでは?と思いました。「ゴールドウィング賞」では番手から抜け出しましたが、その後は常に逃げ切って勝っている。「東海ダービー」まで10連勝。連勝が重なるほどにファンや名古屋の関係者の期待も高まってくる。そうなると戦法が縛られてしまう。逃げて強い勝ち方をしている以上、控えて負ければ主戦丸野は袋叩きに遭う。私はオーナーがどういう人(法人)か知りませんが、怒って降ろされてしまう虞すらある。「東海ダービー」のレース前から、陣営が「ジャパンダートダービー」を自重するような話を耳にしましたが、それは中央や南関の馬相手にハナは獲れず、そうなると脆さを露呈してしまうからでは?と。さすがに大井で「駿諦賞」のような乗り方をするのは無理があるし、更には顰蹙を買いかねない。10連勝重ねて地元では無敵でも、果たして中央や南関馬相手にどこまで?という疑念はありました。サムライドライブが弱いというより、相手が弱すぎる。とはいえ弱メン相手でもここまで鮮やかな成績を重ねていれば、大きな舞台に挑戦したいという冒険心よりも、惨敗することによって経歴だけでなく走りのリズムすら壊してしまうリスクの方が先に立ってしまいます。牝馬なのだから浦和「桜花賞」辺りで一度真の実力を試してもらいたかった。

戦法が縛られてしまっていることがサムライドライブの弱点だと思ったのですが、「東海ダービー」はほぼ100%勝つと思っていました。というのも、出馬表を見て、「これは名古屋勢の”忖度レース"になる」と踏んだからです。

忖度といってもどこかの大学の獣医学部のような出来レースではない。サムライドライブが11連勝で無敗の「東海ダービー」馬になればそれは話題になるでしょうが、その空気を読む読まない以前に、普通にサムライドライブには勝てない。「梅桜賞」のチェゴのように勝負を挑んでも最後は潰されてしまう。「ラブミーチャン記念」、「ライデンリーダー記念」を佐藤で勝っているチェゴの鞍上藤原幹生は、テン乗りながら、良くいえば果敢でしたが、悪くいえば蛮勇。無理をしなければ2着を狙えた。それが結果4着。オーナーの怒りを買ったのか船橋に移籍されたのですが、そればかりかその後、現時点で未だレースに使われていません。

無理をすればサムライドライブを潰すことはできても、自らも潰れるのは必定。空気を読まないことで得るものは何もない。だったらハナからいないものと思って着狙いの競馬をすれば、2着賞金、3着賞金を稼げる。笠松勢が、同郷の馬を勝たせるべく相討ち覚悟でハナを奪いにかかる可能性はありましたが、3頭ともハナに立ってどうこうというタイプではない。一番有力と思われるドリームスイーブルはサムライドライブに幾度も負かされていて、勝負付けも済んでいる。鞍上も岡部で、チェゴの藤原と同じ轍を踏むとは思えない。おまけにサムライドライブは今回2番枠で「梅桜賞」や「駿蹄賞」と違ってえげつない斜行をせずとも楽にラチ沿いでハナを取れる。

ところが蓋を開けてみると同じ名古屋勢が数頭、序盤から単勝元返しのサムライドライブに絡んできた。若手村上の乗るキンショーウィーク、佐藤のユーセイスラッガー。後者は鞍上は笠松ですが、これまでも倉地師に乗せてもらって、それなりに結果も出している。相討ち覚悟で潰すというよりも、キンショーウィークにやらせておいて美味しいどこ取りを狙ったつもりが、自らも引っ張られてしまったといったところか。ハナこそサムライドライブが確保したものの、キンショーウィークらは道中ずっと厳しくサムライドライブをマークし、自然とペースも速くなる。2週目3コーナーでサムライドライブに並びかける。1900メートルという東海公営では長丁場、サムライドライブをもってしてもこの展開はさすがに厳しいか―この辺り、佐藤は一瞬夢を見たかもしれない―と思えましたが、やはり器が違った。迫る2頭を突き放して先頭に。そのまま独走かと思ったのですが…。最後大外からとんでもない末脚で一頭やってきた。「新緑賞」の再現。

「駿蹄賞」が1800メートルに短縮されたことから、昔と違い100メートルの延長が未知的要素となりました。この100メートルがサムライドライブにとって命とりだったのかもしれませんが、100メートルでこんな負け方するようだと、これから先「名古屋グランプリ」はおろか、「名古屋大賞典」で中央馬を迎え撃つのは厳しい。さりとてスピード勝負の「かきつばた記念」で中央馬相手に先手を取れるか…。まだ1敗しただけなので、ここで悲観的になるには早いか。できれば11月の「東海菊花賞」辺りでカツゲキキトキトと対戦し、その力を測ってもらいたいところ。

案外なのはドリームスイーブル。岡部の控える"忖度競馬"が裏目に出てしまい、道中の位置取りの割に直線伸びず、結果4着。とはいえ前にいたとしても3着。手堅いけれども決め手に欠ける難しい馬。3着ウォーターループは安定した競馬ができるというより、鞍上の友森翔太郎がしっかりした競馬ができるようになりました、やっぱり騎手は地道に長く続けていくのが大事。

最後に勝ったビップレイジング。大金星とはいえ、「ぎふ清流カップ」と対照的に、展開に恵まれていた点もある。時計的には名古屋は砂が重く、良馬場だったのであまり他場と比較して云々するのは難しいのですが、「ジャパンダートダービー」に出たとして苦戦は必至。とはいえ2010年エレーヌ以来の笠松のダービー馬。個人的には中央の若駒SヒヤシンスSに出たくらいなのだから、「ジャパンダートダービー」に出て欲しいと思います。馬券的には中央馬でしょうが、それとは別に地方各地のダービー馬が一堂に会し、戦う姿を見てみたい。そうなれば私にとっては中央の日本ダービーよりずっと見ごたえがある。正直、出馬表の発表を今か今かと待ち望むようなレースは、今は地方競馬にしかないのです。ただ、今年もどれだけのダービー馬が集まってくれるか…。