粕本集呆の馬事放言

「粕本集呆の辛口一献」に替わるカスPこと粕本集呆の新ブログ。主に競馬関連中心ですが、ニコマス活動再開も企図しております。

調教師の想いに応えた友森騎手―笠松競馬「ウインター争覇」回想

木曜日のレースの結果

笠松競馬「ウインター争覇」…ハズレ

1着 5番メモリージルバ(5番人気)

2着 3番ヴェリテ(9番人気)

3着 4番デジタルフラッシュ(7番人気)

勝ちタイム 1:54:6(良)/昨年の勝ちタイム 1:56:9(ハタノリヴィール・良)

コースレコード 1:52:9

 

何とも形容し難いレース。三連複79,390円、三連単324,930円と大波乱だったが、少なくとも見応えがあるとは言えなかった。期待された馬たちが揃いも揃って期待外れの、だらしのないレース。その中で光ったのはやはり勝ち馬のメモリージルバ。

勝ったメモリージルバは、前々走「東海ゴールドカップ」では、ディフェンディングチャンピオンでありながら、スタート直後落馬の大失態。前走「東海クラウン」は塚田調教師の先行策指示に鞍上友森が従わず控え、結果折り合いを欠いて凡走に終わった。塚田師は、今年10歳になるメモリージルバを「もう重賞やオープンを勝つ機会も限られてくる」と評したうえで、「ヤネは気合いを入れて乗って欲しいね」と友森に発破をかけた(専門紙のコメントより)。

モリージルバは中央未勝利からの転入後、藤原良一が主戦で、彼とのコンビでちょうど60戦目となる2016年笠松「白銀争覇」で、重賞初制覇をなし遂げたが、藤原が計71戦騎乗した後、同年10月以降は友森が主戦に。今井を挟んだことが3度あったが、友森とのコンビでの35戦目が今回だった。今回が119戦目になるが、あまり無茶なローテを課されることもなく、比較的大事に使われてきたため、年齢の割に成績は長く安定し、昨年9月の笠松「オータムカップ」を勝ち、その後地元「東海菊花賞」もカツゲキキトキトから0.9秒差4着。ただ、「東海ゴールドカップ」の大失態を抜きにしても大負けするレースが増えてきて、衰えが見えはじめていた。落馬の次のレースが調教師の指示に従わず失敗…では、乗り替わりがあっても誰も異存はないだろうが、塚田師は友森に手綱を託し、わざわざ専門紙のコメントで檄を飛ばした。

レースはサムライドライブが逃げ、隣の枠のヴェリテがそれをマークするという展開。ばらけたスタートでフロリダパンサーが追っつけ気味に前に出たり、サムライドライブ単騎逃げ濃厚だったにもかかわらず、9番人気のヴェリテにマークされっ放しという波乱を予期させる序盤だった。そんな中メモリージルバは無難にスタートをこなし、3番手好位をキープ。3角手前でサムライドライブの限界を見てとるや強気に仕掛け、外からヴェリテをかわして先頭に立つとそのまま突き放すという、この馬の強いときの勝ち方で、勝ちタイムも昨年のハタノリヴィールより2.3秒速い好時計だった。ゴール板を駆け抜けた直後、友森は馬上でガッツポーズをしたが、正直このレース、重賞とはいえ昨年復活したばかりで格は高くなく、何度も重賞勝ちしているこの馬で敢えてガッツポーズを見せるほどのものではない。おそらく前走の後、塚田師にだいぶこっぴどく言われただろう友森の、それでも乗せてくれる師の想いに応えることができた喜びが、自然ガッツポーズとなったのだろう。

10頭中9番人気の2着ヴェリテはスタート直後からサムライドライブをぴったりマークし、外からメモリージルバに並ばれても簡単には屈しなかった。ただ、人気が示す通りこれまで重賞ではまったく活躍できていない。近走の成績からも買える要素は見当たらなかった。鞍上向山の好騎乗で、これがヴェリテの実力かというと、フロック臭さも拭えない。3着デジタルフラッシュは7番人気だが地味に安定感があり、買えない馬ではなかったが、実績面で目立たなかった分人気の盲点だった。レースは決して前崩れではなく、末脚で3着に来たのは実力だろう。確実にある程度の末脚を繰り出すことができるので、今後の重賞クラスでも、レースの展開が紛れれば突っ込んでくる可能性はある。同じ後方からの馬でも、3番人気でありながら単に回ってきただけのストロベリーキングとは雲泥の差。

4着ハタノリヴィールは騎乗自体に文句はない。特に展開に左右された印象もなく、つまりは馬の実力で、「可もなく不可もなく」がすっかり定着してしまった感じ。かつての強さはもう戻ってこないかもしれない。5着サムライドライブは「白銀争覇」のときは復活の兆しを感じたが、今回で見限られても仕方ないだろう。出遅れならともかく、先頭に立ちながら9番人気の馬にマークされ続け、3角で勝負から脱落した。1900メートルの「岐阜金賞」で2着の実績がある以上、今回の敗北を距離のせいにはできない。8着ストロングサウザーは転入初戦を言い訳にできない見せ場皆無のレース振りだった。まだかつてはホッカイドウの第一線で活躍した8番人気6着のキタノイットウセイの方が、一瞬だけだが見せ場を作った。交流重賞2勝のこの馬も、もう「終わった」馬かもしれない。

道中はいい位置につけていたが、3角では脱落していたフロリダパンサーは最後は競走中止