粕本集呆の馬事放言

「粕本集呆の辛口一献」に替わるカスPこと粕本集呆の新ブログ。主に競馬関連中心ですが、ニコマス活動再開も企図しております。

笠松競馬の関係者処分について。

笠松競馬における不適切事案にかかる関係者の処分及び再発防止策について - オグリキャップを輩出した岐阜の地方競馬「笠松けいば」 (kasamatsu-keiba.com)

 

笠松競馬の関係者処分ですが、病室のベッドで見て、目眩を起こしました。ある程度予想していた結果とはいえ、さすがに手術直後の体には悪い。退院後に改めて告示を見ました。

しかしそれぐらいショックを受けたということは、逆にいえばよくここまで踏み込んでくれた、とある程度本気度を評価していいと思います。花本正三、東川公則両調教師、大塚研司、吉井友彦両騎手の「競馬関与停止5年」は一見甘そうですが、ほぼ永久追放に近いと取っていいでしょう。尾島徹、佐藤友則、島崎和也、山下雅之と違うのは、5年という短くない年月を経てまだ競馬に対する真摯な情熱が残っていれば、厩務員もしくは育成牧場のスタッフとして受け容れられる可能性があること。とはいえ表舞台に立つことは金輪際ないでしょう。湯前良人調教師の2年も、調教師としての復帰はほぼ絶望的。地全協の処分は免許取消ということで、笠松の「関与停止」が解けたからといって、調教師、騎手として復帰できるわけではない。1年~6ヶ月の筒井勇介、高木健、池田敏樹も地全協のデータベースから抹消されている。現場に復帰を望むならもう一度免許試験を受け直さなければなりません。

所得を過少申告した3調教師については、馬券購入については当事者ではないのでさすがに追放までは求めませんが、些か甘い気もします。過少申告だけでなく執拗なるセクハラ行為で90日間調教停止処分—きゅう舎貸付不承認の処分も予定されているらしく、事実上の追放か?—の淫獣調教師については数々のセクハラ発言をまとめて本にして、愛馬会で売らないかと提案するつもりです。

f:id:KAS_P:20210424013257j:plain

(写真と内容は関係ありません)

入ったばかりの長江を除く、事件に関わっていない騎手たちは、見て見ぬふりをした罪を問われて戒告処分。深澤なんかは立場上可哀想な気もするが仕方ない。

今回の件でおそらく一番激怒しているであろう関係者は、当人も所属騎手3名(藤原幹、渡邊、水野翔)も関わりなかった(騎手は見て見ぬふりという罪があるが)、昨年のリーディングトレーナー笹野博司調教師でしょう。ちなみに昨年リーディング2位の加藤幸保師、3位の後藤佑耶師も笹野師同様処分対象外。渡邊、水野はシロだろうと思っていましたが、比較的古株の藤原は、正直私は疑っていました。この辺りは笹野師の指導がしっかりしていたからではないか。とはいえ、笹野師も加藤師、後藤師もまったく知らなかったとは思えない。噂くらいは耳にしていたはず。成績上位の厩舎とはいえやはり笠松競馬はムラ社会。確たる証拠を掴んでいたわけではないし、村八分を怖れて口を噤んでいたということに情状酌量の余地あれど、騎手が告発しづらい分、調教師が勇気を出して「一部関係者にそういう噂がある」と告発して欲しかったという思いもある。私の中では古株騎手は藤原に限らず総じて容疑者扱いでしたが、向山、藤原幹、大原、森島が不正に手を染めなかったことは、ある程度評価できます。「ある程度」というのは彼らも不作為でこのような状況を招いてしまったことに違いはないから。不正に与しないのは評価以前に当たり前、と言ってしまえばそれまでなのですが、笠松の看板背負っていた尾島、佐藤がやっているなら自分もいいかという気になる。今回追放された調教師や騎手の数人はそういう気持ちから道を踏み外したのでしょうが、そもそも笠松の看板2人が主導していたというところに事件の恐ろしさがある。

個人的に残念なのは池田敏樹。せっかく家族も連れて福山から笠松に来たのに……。

東川慎はまさか父親が追放されるとは思っていなかったでしょう。ただ東川自身は力量がある。逆風に晒されることは免れ得ませんが頑張って欲しいところ。

笠松競馬の組合管理者は、古田笠松町長から岐阜県副知事に。前職の広江町長は笠松競馬を守ってくれましたが、今となっては甘やかしていたのかもしれないと、痛恨の極みでしょう。とはいえ気になるのは事務方の処分。今回の事件、怠慢の極みで長年この状態を放置してきた事務方の罪も重い。報道でも、事務方が如何に怠慢だったかつまびらかに報じられている。現場関係者たちは百歩譲って、告発することによって自分の居場所がなくなってしまうのが怖い、という心情があることも理解できなくはないですが、事務方はその限りにあらず。ある方が事務方連中を「弁当食って帰るだけ」と愚痴っていましたが、その通りだった。とんだ穀潰し。不正で処分された元騎手、騎手が所属していた5人の調教師が「指導監督が不十分」という理由で20日間の賞典停止にされましたが、だったら事務方は?…というと広江前町長も含め、

殆どが「相当」というのは

どういうコト?

「相当」とは、実際には処分を下せないということで、その理由は簡単。処分を下すには、尾島らの不正行為が始まったと確認できる平成24年(2012年)から発覚する令和2年(2020年)までの間、一貫して同じ役職に就いていないといけない。ところが自治体からの出向が殆どなので、短期間でコロコロ人が変わってしまう。結局これが怠慢の本質的原因。自分が担当である間だけ何事もなければいいというプライド皆無、事なかれ主義の木っ端役人根性。広江前町長は笠松競馬の再建に熱心でしたが、前町長が送り込んだ役人はクズばかりだったということ。これについては前々から聞いていましたが、制度的に直さないといけない。

 

ともあれ、笠松は廃止しろという声があちこちから湧いていますが、私に言わせれば、

これで笠松競馬は

地方競馬で一番クリーンな

競馬場になった

ということです。廃止しろとのたまっている諸兄も、これが笠松だけだとは思っていないでしょう。今頃他場でも、明日は我が身と震えている騎手が少なからずいるはず。いや。騎手だけでなく競馬場そのものにもいえること。とはいえ、他場も芋づる的に発覚しろ!などとは思っていません。笠松競馬を他山の石にして、今やめることです。もっとも、廃止しろと叫んでいる人の大半が、そもそも競馬に興味がないか、あったとしても中央の大レースしか買わない人たちでしょう。今頃は「ばんえい競馬廃止しろ!」と気勢をあげているに相違ない。

話を戻せば笠松競馬は、あとは10人(向山、藤原幹、大原、森島、渡邊、水野、東川慎、松本、深澤、長江)しかいなくなった騎手をどこでどう補うかということ。そして、多数の馬が他場に流れてしまった現在、どうやってレース番組を立てていくか。これがきっかけで経営不振となって廃止となれば、それは仕方ない。そうならないために、笠松競馬は2000年代はじめ、崖っぷちに立たされたときのことを思い返して欲しい。しかし状況はあの頃よりずっと厳しい。何故ならはじめから応援してくれる人は私を含めてごく僅かだから。誠意と努力でどれだけファンを取り戻せるか、です。